初診日の記録が全くなく証明できない!どうする!(広汎性発達障害 障害基礎年金2級)
Iさんは、いじめが原因で、引きこもった生活をずっとしており、のちに広汎性発達障害と診断されました。障害年金の制度を知り、主治医の協力もあって、障害年金の請求を行いましたが、この症状で、初めて医師の診断を受けた病院では、5年以上経過していたため、カルテは破棄されており、(法律上のカルテの保存義務は5年です。)初診日の証明をその病院でしてもらえずに、初診日が確認できないという理由で、Iさんの請求は不支給という決定になりました。
この様な中で、Iさんは当センターに相談にいらっしゃいました。
お話しを伺うと、Iさんは、初診日は20歳前で、20歳になってから現在まで、国民年金保険料を納付していない月は1か月もないことがわかりました。
国民年金法という障害年金を支給するための法律では、国民年金保険料を納付しない事により不支給になる規定はありますが、初診日がわからないことにより不支給となる規定はありません。
Iさんとは、その事を主張して審査請求(不服申し立て)を行うことになりました。
審査請求では、Iさんの請求は、事後重症請求(現在の症状での請求)であり、基礎年金の請求のため、どうしても初診日が基準となり、支給される障害認定日や、障害厚生年金の請求と違い、保険者である年金機構が、年金保険料の未納がないIさんの請求を認めない余地はないことを主張しました。担当の社会保険審査官は、この様な不服申立理由は、経験が無かったらしく、非常に困惑していた様子で、自身では決めきれずに、違う理由を持ち出し、請求を棄却しました。
過去の事例でも、この様な主張は審査請求で認められることは少なく、想定していた再審査請求を行いました。
再審査請求は、東京の厚生労働省の中で、医師や、法律の専門家、有識者による合議制で審査されます。
非常に時間はかかりましたが、Iさんの主張は認められ、障害基礎年金(国民年金)が支給されることになりました。
この様に、初診日がわからなくとも、あきらめずに取り組めば受給できる事例があります。
お困りの方は一度当センターまでお問い合わせください。
