自閉症スペクトラム障害で障害基礎年金2級受給決定
【請求傷病】自閉症スペクトラム障害
【請求方法】事後重症請求
【決定内容】障害基礎年金2級
Kさんは幼少の頃から感覚過敏や偏食があり、物静かな子どもでした。小学校に入学すると、授業でずっと座っていることが難しく、また自分だけ作業がうまくできなかったり、内容を理解することができなかったりしました。そうした影響で周りとなじめず、体調不良を起こすことも頻繁にあり、早退や欠席も多い状況でした。努力してもできないことが多く、そのストレスで次第に感情が爆発することも増えていきました。
中学校でも状況は変わらず、家族との関係も悪くなっていました。高校に入学すると周りとなじめず、体調不良が続き休みがちになりました。半年程で登校できなくなり、精神的に不安定になって病院を受診しました。その時は1度だけの受診で、障害に関して指摘はありませんでした。
その後体調が戻るとアルバイトを始めました。すると仕事が覚えられず、何度も同じミスを繰り返しました。簡単な計算も難しく、仕事中は緊張で周りとの会話すらほとんどできませんでした。感覚過敏のため環境からもストレスを受けやすく、帰宅すると疲れ切っている状態でした。仕事は退職し、それからいくつか別のアルバイトをしてもどれもうまく行かず、長く続きませんでした。
それにより不安が募り精神的不調に陥ってしまったことから、再び精神科を受診しました。通院を再開し検査を受けると、発達障害があることがわかり、家族と障害年金の手続きを進めることにしました。しかしこれまで集めたたくさんの資料から、病歴就労状況等申立書を文章でまとめることが難しく手続きを中断してしまいました。
それから数年して、障害者雇用で就労していたKさんが主治医の診察で障害年金を受給していないことを伝えると、すでに受給していると思っていた先生に驚かれました。それをきっかけに当センターに相談に来られました。
発達障害をお持ちの場合は出生時からのご様子を病歴就労状況等申立書にまとめていく必要があります。その作業はご本人やご家族にとって非常に負担に思われるようです。当センターではお話をうかがい、聞き取りした内容をまとめ代わりに病歴就労状況等申立書を作成しています。その内容によっても等級審査に影響がありますので、経験上入れる内容や表現の仕方を選びながら、ご本人の状況がより伝わるようにお作りしています。
そのため今回もKさんやご家族が過去に集めた資料の内容を整理したうえでお話をうかがい、病歴就労状況等申立書を作成しました。 Kさんは高校1年生の16歳の時に初診していますが、20歳の頃には通院がなく事後重症請求での手続きとなりました。こちらでサポートした結果無事に受給が認められ、提出月の翌月分から年金が支給されることになりました。
【当センターでのサポート内容】
・診断書のチェック
・過去の資料の内容確認、取りまとめ
・病歴就労状況等申立書の作成
・書類の取りまとめ、年金機構への提出